失敗しないオーダーカーテンの選び方を、プロのインテリアコーディネーターが目的別にわかりやすく解説します。
オーダーカーテンは、お部屋の印象を決める重要なインテリア要素です。
オンラインショップの普及でオーダーカーテンをお安く簡単に注文できるようになりましたが、「サイズが合わなかった」「色味が違った」「遮光性が足りなかった」など、失敗の声も少なくありません。
この記事では、新築・リフォーム・買い替えなど目的別に、オーダーカーテン選びのポイントをプロのインテリアコーディネーターが詳しく解説します。洋服を選ぶように気軽な感覚でお選びいただけるよう、トレンドを押さえつつ、機能性・デザイン性・快適性までカバーした「2025年のオーダーカーテンの選び方の正解」をお伝えします。
目次
カーテン選びの前に確認すべき「暮らしの条件」
カーテンを選ぶ前に、まずご自身の暮らし方・部屋の特性を整理しましょう。
このステップを飛ばすと、後で「思っていたのと違う…」となる原因になります。色やデザインはもちろん、必要な機能性、安全性など、オンラインで購入する場合は以下の6点を明確にすると、迷いがぐっと減ります。
後悔しないカーテンのご購入のためにもゆっくりと時間をかけて検討してください。
オーダーカーテンの購入を失敗しないための6つのチェック項目
- 部屋の用途:寝室、リビング、子ども部屋など目的で求める機能が違う。
- 方角と採光:西向きは遮熱、北向きは断熱。方角で最適な機能を選ぶ。
- 生活リズム:朝日を入れたい・光を遮りたいなど、暮らし方に合わせて。
- インテリアのテイスト:家具や床・壁紙との調和で統一感を出す。
- お手入れ:小さなお子様やペットがいる場合、ウォッシャブル・消臭が安心。
- 安全性:高さ31m(おおむね11階)以上の高層マンションは防炎カーテンを。
💡 プロの視点 カーテンは“見た目”だけでなく、光・温度・音・プライバシーを整える機能性インテリアです。「住まいの快適さ」を左右する重要なアイテムと考えましょう。 |
オーダーカーテン購入の流れ(基本ステップ)
「オーダーカーテンは難しそう…」と思われがちですが、実際はとてもシンプルです。
この流れを把握すれば、初めての方でも安心して進められます。
ステップ1|部屋の用途と希望を整理
どの部屋に、どんな雰囲気で、どんな機能が必要かを明確にします。
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- 寝室 → 遮光・防音重視
- リビング → 素材感・採光・デザイン性重視
- 子ども部屋 → ウォッシャブル・色・価格重視
ステップ2|生地を選ぶ(サンプル生地を取り寄せる)
オンラインショップで購入する場合は事前に必ずサンプル生地を取り寄せましょう。床や壁の色との相性がおしゃれな部屋になるかどうかのカギになりますので、可能な限り事前に取り寄せましょう。
ステップ3|サンプル生地と床・壁の色の相性を確認する
サンプル生地が届いたら、素材・色を確認しましょう。写真の色と実際の色が違ったということはよくあります。購入後のイメージ違いを避けるためにも、色の確認はできるだけ昼の自然光の元で行いましょう。新築の場合は事前に床材や壁紙の一部を取り寄せておいて、色味が合うかどうか確認することも重要です。
💡 プロのポイント 部屋の照明や床・壁の色によって生地の見え方は大きく変わります。 昼と夜、両方の時間帯で確認するのが理想です。 |
ステップ4|採寸する
カーテンレールの有無を確認して正確に採寸します。ここで重要なのは、カーテンレールが取り付けられた状態でカーテンのサイズを測るという点です。
💡 プロのポイント レールがついている状態であればどなたでも簡単に窓にぴったりのカーテンのサイズを測ることができます。見た目も仕上りも美しいカーテンを購入するためには採寸が一番重要です。正確な採寸方法についてはこちらをご確認ください。 |
カーテンレールが「ついていない」場合の注意点
新築やリフォーム直後、ご自身で取り付けを行う方法もありますが、下地の強度不足による落下や破損の恐れがあり、あまりおすすめできません。
- 下地がない壁(石膏ボード等)に直接取り付けると、レールが落下する危険あり。
- 下地探し器で固定位置を確認するのが基本。
- 下地が不明・高所作業が必要な場合は、専門業者に依頼を。
🧰 プロのアドバイス カーテンレールは想像以上に重量がかかります。 安全性・耐久性・仕上がりの美しさを考えると、専門施工が最も安心です。 |
ステップ5|見積もり・注文
サイズ・生地・縫製仕様を確定し注文します。
納期があるため、引越しやリフォーム日程の1〜2ヶ月前には検討を開始し、余裕をもって注文しましょう。
この流れを押さえておくと、次に紹介する「新築・リフォーム」や「買い替え」の選び方がより具体的に理解できます。
新築・リフォームのカーテン選び:空間設計の一部として考える
新築やリフォームでは、カーテンを「最後に決める」ではなく、間取り設計の段階で計画するのが理想です。壁紙・床・家具・照明と一緒に考えることで、プロがコーディネートしたような完成度の高い空間になります。
🏡 ポイント
- 日当たりの方向を確認:西向きは遮熱、北向きは断熱重視。
- 壁や床材の色に合わせる:トーンを揃えると統一感のある上質な空間に。
- カーテンレール位置を設計段階で決定:天井付けにすると天井が高く見え、開放感がUP。
- エアコンの位置:冷暖房効率、配管の位置など、カーテンレールの設置場所を検討
- 部屋ごとに機能を変える:寝室=遮光、リビング=採光、子ども部屋=防炎・ウォッシャブル。
🪶 プロのアドバイス 設計の段階でカーテンレールの天井付け、カーテンボックスの造作工事などを考慮しておくと、より完成度の高いお部屋になります。また、マンションではエアコンの配管穴、エアコンの設置スペースを変更することができませんので、カーテンレールと干渉して残念な見た目にならないよう、事前に考慮することも重要です。 |
買い替えのカーテン選び:最新の機能で暮らしをアップデート
「古くなったから替える」だけではもったいない!
カーテンの買い替えは、暮らしを快適にアップデートする絶好のチャンスです。
💡 最新の機能カーテンを選ぶポイント
機能 | 特徴 | こんな方におすすめ |
遮光 | 光を100%遮る完全遮光 | 寝室用、ホームシアター用に |
遮熱・断熱 | 室温をキープし、省エネにも貢献 | 冷暖房効率UP、夏の暑さ・冬の寒さ対策に |
防音 | 外からの騒音を軽減し、静かな室内を実現 | 交通量の多い立地・マンション住まいに |
抗ウイルス・防臭 | 清潔で衛生的 | 小さなお子様やペットのいる家庭 |
花粉キャッチ・防ダニ | アレルギー対策に効果的 | アレルギー対策に効果的 春先や換気の多いお部屋に |
ウォッシャブル | 洗濯機で簡単お手入れ | 洗濯機で簡単お手入れ 清潔を保ちたい方に |
遮像 | 昼も夜も外から見えにくい | プライバシー対策、女性の一人暮らしに |
🧵 プロのPRポイント 最新の高機能カーテンは「デザイン+テクノロジー」。光・熱・音・空気をコントロールし、快適でエコな暮らしをサポートします。 |
🌿 カーテンの買い替えは経年劣化した空間に合わせた色・素材選びが大切
長年住んでいると、床や壁、建具の色が少しずつ変化します。以前と同じカーテンを選ぶと、部屋がくすんで見えることもあるので、注意が必要です。
はっきりとした色柄や透明感のある色は避け、あえて古くなった床や壁に合わせてた落ち着いた色味を合わせるとうまく調和します。
- 日焼けで明るくなった床 → 少し濃いめの色
- 黄ばみが出た壁 → グレージュやスモーキートーン
- 深みの増した木目 → 温かみのあるベージュ・アイボリー
🪶 プロのアドバイス 「今までと同じような生地でいいや」と思わず、今の光・素材・色の状態を確認して再選定すると、空間が見違えるほど明るくなります。 |
2025年注目のカーテントレンド
2025年のテーマは「ナチュラル×機能性」。環境にやさしく、見た目にも心地よい素材が人気です。
●リネンライク素材:天然の風合い+洗いやすさ
●サステナブル生地:リサイクル糸使用のエコ素材
●グレージュ・くすみカラー:上品で落ち着いた印象
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●光を100%遮る「完全遮光カーテン」
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🌞 トレンドTip
グレイッシュな色調、熱と光を遮る完全遮光カーテンのドレープカーテン+外から見えずに中から見える遮像・遮熱レースカーテンの組み合わせは、“軽やか・省エネ・洗練”の三拍子そろった人気スタイル。
まとめ:カーテンは「今の暮らし」に合わせて選び直すインテリア
カーテンは、単なる「窓の覆い」ではありません。
光・温度・音・プライバシーを整える、暮らしの質を左右するインテリアです。
新築・リフォーム・買い替えのタイミングは、住まい全体を快適に見直す絶好のチャンスです。特別な知識がなくても、プロに依頼しなくても大丈夫!
カーテンを選ぶ際は、これらのポイントを参考に、部屋でどのように過ごしたいかを想像しながら選んでみてください。
きっと、お部屋がぐっとおしゃれで快適になる、お気に入りの一枚が見つかるはずです。
✅ 最後にチェック!
- 現在の床・壁・建具の色を再確認
- 施工中であればカーテンレール位置を設計段階で決定
- 必要な機能(遮光・遮熱など)を整理
- 新築・引っ越しの場合は入居予定の1~2か月前には検討を開始
- サンプル生地を取り寄せて自然光で確認
- カーテンレールの下地を確認
- カーテンレールの取付けは専門業者に相談